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コト-人から生まれるコト

人から生まれること / アルミと木

人から生まれること / アルミと木

強さとやわらかさ。

強くて丈夫なアルミと、やわらかさ漂う天然木。
生まれも用途もまったく異なるふたつの素材が、
新たな道具としてひとつになりました。
アルミの多様なカタチに合わせながら、
木の種類や木目、色味を選んでいます。
それぞれのつくり手が、それぞれの
魅力を引き出すように、丁寧につくりました。

●つくり手

山岸工業所 栃木県足利市

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手が、丁寧を生む。

栃木県足利市は、
戦中の戦闘機から、現在の自動車部品まで、
アルミ加工がさかんに行われる地域です。
その技術を代表するのが、ヘラ絞り。
平らなアルミを、ヘラで押しあてながら、
ろくろのようにカタチをつくっていきます。
スルスルとできあがる様子は、魔法のよう。
ヘラ絞り職人の山岸さんは、
手でひとつずつ作業を行っていて、
その誤差はほんのわずか。
長年の経験が生み出した手が、
丁寧に仕上がる理由になっている。
そんな、機械には出せない技を活かすため、
わたしたちは他のつくり手を探しました。


丸信金属工業 栃木県足利市

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アルミの引きだし。

絞ったアルミにアルマイト処理を施すため、
同じ足利市内の丸信金属工業を訪れました。
アルマイト処理とは、表面を酸化させて、
これ以上さびないようにする処理。
酸化したアルミは、熱した釜の中へ。
目に見えない、表面の小さな穴を、
蒸気でキュッと引き締めることで、
アルミ本来の強さを、より強固にしてくれる。
同工場はプレス技術も持っており、
アルミを頑丈な多面体に仕上げてくれます。
魔法のヘラ絞りと、アルミの質を高める技術。
アルミの魅力を引き出す役者が集いました。


テーブル工房 kiki 徳島県板野郡

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木の表情を見つめる。

アルミの形状と強さは、
じゅうぶん魅力があるけれど、
いつもの暮らしになじむように、
やさしさをかけ合わせてあげたい。
訪れたのは、徳島県のテーブル工房 kiki。
扱う樹種が多く、木それぞれの個性を
引き出すことに長けたつくり手たちです。
道具づくりは、加工するまえから。
カタチや木目、手ざわり、色味など、
木の良いところを探しながらの道具づくり。
その技、その視線が、強固なアルミに、
柔和な表情をしつらえてくれました。


●参加デザイナー

小泉 誠
デザイナー原兆英・原成光両氏に師事した後、
1990年にコイズミスタジオを設立。
建築から箸置きまで、生活に関わるすべてのデザインを手掛ける。
2003年、デザインを伝える場として東京都国立市に「こいずみ道具店」を開店、
生活者の視点に立ったデザイン活動を展開中。
05年から武蔵野美術大学空間演出デザイン学科の教授を務める。

村澤一晃
垂見健三デザイン事務所を経てイタリアへ渡り、
1990年よりセルジオ・カラトローニデザイン建築事務所勤務。
94年、ムラサワデザインを設立。
家具を中心とした生活道具全般のデザインを手掛ける。
生産現場との直接的なワークショップを行いながらデザインする、
現場主義に重きを置いた開発スタイルを実践している。