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コト-人から生まれるコト

アルミと漆

アルミと漆

日本の工業製品を縁の下で支えるのは、ほとんどが地方の小さな工場
です。
アルミに漆を塗る。この発想も、大手家電メーカーの仕事をコツコツ
こなす地場産業の工場から生まれました。
伝統的な漆を一工夫して様々な素材に塗装できるようにする工夫は、
世界にも類を見ない新しい可能性を提示しているのです。

●つくり手

酉田ネーム  栃木県足利市

mother toolでは出会った生産背景をより有効に活用するために、自社製品だけでなくて、
ノベルティーなのどのオリジナルアイテムの生産協力も同時にスタートさせています。
その一つ、ジャストシステムのATOKノベルティーでアルミ定規をつくることになった時、
目盛りを印刷するという今まで出会った工場の得意分野ではないという壁にぶつかりました。
ジャストシステムとの打ち合わせ後、帰りの電車の中で機械等についているメーカーロゴの
入った金属プレート(金属銘板)を思いだしました。
日頃機械を目の前にしているおかげです。
銘板屋さんなら目盛り印刷もできるのではないか?そんな思いで銘板屋さんを探してみると、
なんと地元足利にあったのです。

酉田ネームではアルマイト印刷という細かな文字まで印刷できる、アルミの細かい穴に色を
入れる印刷方法に出会いました。
一般的なシルク印刷は細かな文字の印刷には向いていませんが、定規の細かい部分の印刷も
このアルマイト印刷なら可能です。
アルミの素地にしみこませる印刷方法のため、触ってみても印刷ののったデコボコ感はありません。

同じアルミという素材の加工でも、用途や形状などによってこんなにもたくさんのやり方が
あるのかと気づかされます。


山内うるし工芸  福井県鯖江市

福井県鯖江市は越前漆器の産地です。越前漆器は業務用の漆器などを得意としてきました。
山内うるしではスプレイドウルシというスプレーガンを使った特殊な漆塗りを開発し、
いままでの漆業界の常識を打ち破り、家電などの開発でも塗師として参加しています。
ジャストシステムのアルミ定規を開発していた時、使わない時もきれいに置いておけるよう、
アルミ裏面に漆を塗布したいとこの工場を訪ねました。
アルミに漆を塗る。しかも数が数千個。
越前漆器という量産産地という特性、そして山内さんオリジナルのスプレーガンでの漆塗装の
得意な山内さんは親身に相談にのってくれました。
下地の検討、漆の粘度調節などいろいろな試作を行いWrulerはできあがりました。
山内さんはどんなものに漆を塗ることができるか、漆の可能性を追求している研究熱心な工房です。

●参加デザイナー

村澤 一晃
Kazuteru MURASAWA
http://www.murasawadesign.com/
1965年東京生まれ。垂見健三デザイン事務所を経てイタリアへ留学。
90年よりセルジオ カラトローニ デザイン建築事務所勤務。
94年、MURASAWADESIGN設立。
現場主義にをテーマに、生産現場との直接的なワークショップを展開しながらの開発スタイルを実践。
家具を中心とした生活道具全般のデザインを手がけている。